「いいからしばらく黙ってろ!」を読ませていただいて

著者:竹宮 ゆゆこ
出版:角川文庫

燈火の感想

先ずは率直な感想から。
私には、何故か劇団関係者が友人や同僚に多数いるので、すんなりと世界観に入り込める作品でした。物語の所々で「花より団子」のイメージが枠のは、主人公のキャラ設定がどことなく似ているからかも知れません。

ところで少し脱線すると、劇団員さん達って本当に大変ですよね。資金繰りもそうですが、社会人をしながらの方々って、たくさんのセリフを覚えるというのに、いつ稽古をしているのだろうと感心させられます。今度は観に行ってあげないとな、と思っちゃうのですよね。

さて、感想に戻ります。この作品の魅力は大きく分けて二つかな。

一つは個性豊かな登場人物です。どの人物もプロ意識をもった、ある種の変わり者達。けれどそこに人間味があって、なんとも憎めない。私は、この類の人達が大好きです。現実にも実際にいますよ、こういう人達って。そういう人達に出逢えると、私は楽しくて何時間でもお話ししていたくなります。

もう一つは「解釈」です。様々なところで「解釈」を使った表現が用いられています。作者の竹宮さんが意図的にしていたかは分かりませんが、物事の捉え方、解釈がこの物語を彩っています。その場で直ぐに分かる解釈から、物語が進むことで分かる解釈まで、それらは伏線にもなっていて面白かったです。

竹宮さんの作品には有名な「とらドラ!」が有りますよね。あれは漫画にもなったのかな。正直なところ、私は読んだことが無いのですが、こてこてのラブコメと伺っています。

ちなみに、ラブコメでは有りません。三谷幸喜さんが脚本をしたら、面白い映画が仕上がるかも知れませんね。