「店長がバカすぎて」を読ませていただいて

著者:早見 和真
出版:角川春樹事務所

燈火の感想

先ずは率直な感想から。
仕事の現場感がとてもリアルで良いなと思いました。実際に本屋さんで仕事をしている人であれば、共感されるところは多いのでは無いでしょうか。そして主人公の考えや心境の変化も手に取るように分かり、感情移入しやすい作品です。

この作品は、サービス業をしている人には、一読して欲しいと思います。私もサービス業の経験があるので、その光景が目に浮かぶ様で大変面白語ったです。仮にその様な職種経験の無い方が読まれたとしても、雰囲気は伝わるのでは無いでしょうか。

始めからのめり込む様に読めたのはどうしてだろう?と考えたのですが、やはり共感できる描写が分かりやすく書かれているからなのでしょうね。この作品は、私が近年で呼んだ作品の中でも、傑作のひとつとして挙げれます。主人公の人間臭さも丁度良かったですね。

伏線部分の回収も面白い。ネタバレに繋がりそうなので詳しく書けませんが、あまり深く考えずに、作者の手の上で転がされながら物語を読んで欲しい。その方が最後まで気持ちが良いです。恐らく書籍を読み慣れている方であれば、幾つかは予想ができると思います。

最後に、良い意味で展開の期待もちゃんと裏切ってくれますから、読者も素直にバカになって読んで欲しいな。